フィードバックを生み出す ”仕組み” をデザインすることで、中小企業の業績改善と人材育成を支援する
― フィードバックデザインの考え方 ―
中小企業の現場では、コンサルティング会社が精緻な調査と戦略を提示したにもかかわらず、「結局、実行されなかった」「一度は始めたが、すぐに止まってしまった」といった話を耳にします。経営計画、マーケティング、人事評価制度、原価管理――いろんな分野でお聞きする現象です。
なぜ、このような事態に陥るのでしょうか。
一つの理由は、提案された施策が、現場の実情や、実行する人たちの気持ち・感覚と噛み合っていなかったからだと思います。「これならやってみたい」「自分たちにもできそうだ」と思えるような納得感や主体性を引き出せていなかった。だからこそ、施策は実行されず、あるいは続かずに終わってしまったのではないでしょうか。
また、コーチングのコーチが関わってもうまく機能しないケースも耳にします。コーチングでは「答えはクライアントの中にある」という前提がありますが、実際には目指すゴールを実現するために必要な情報や視点が、クライアントの中にまだ備わっていないことも少なくありません。あるいは、設定したゴール自体が、本当に目指すべきものではなかったという可能性もあります。
では、どうすれば、クライアントが現実的な変化を起こせる支援になるのでしょうか。
私はこう考えています。
中小企業の経営者は、自社や業界について深い知見を持っています。
しかし、業績が伸び悩んでいる場合、日々の業務や顧客対応の中に問題の兆しがあっても、慣れや忙しさゆえに気づけていないことがあります。
一方、私たち支援者はその業界の専門家ではないことが多いものの、状況を整理し、問題の糸口を探る視点や手法を数多く持っています。そうした立場の違いを前提としつつ、クライアントが「やってみたい」「実現できそうだ」と感じられる仕組みを、一緒に対話しながらつくっていくことが重要だと考えています。
クライアント自身が、自らの目標や行動計画を主体的に考えられるよう促しながら、そこに必要な情報や視点が欠けていないか、支援者が確認したり・補完をサポートしていく。
そうすることで、目標や計画そのものが、クライアント自身の認識を変え、行動を変えていく「フィードバック」となりうる――
私は、そのような内発的な変化を引き起こす仕組みづくりを支援していきたいと考えています。
わたしにできることは、奇抜な戦略を提示することではありません。
むしろ、情報の集め方や整理の仕方を支援し、クライアント自身が気づき、考え、変わっていくきっかけを提供することです。
クライアントが、自身や顧客の課題に自ら気づき、自らの認識を変え、考えて、行動し、振り返り、改善していく――
その循環を生み出すための仕掛けこそが、わたしの考える「フィードバックデザイン」です。
私はクライアントの現場に小さな変化の火種を灯すような支援に取り組んでいきたいと考えています。少しでも、現場の前向きな変化につながる伴走ができれば、これ以上の喜びはありません。


